弟系男子が『弟』をやめた時。
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さて、昼休み。
「っしゃあごら!行くぞ眞樹原!!」
弁当、パン、お菓子。
文化委員の初めての会議に向けての
戦闘態勢はばっちりだ。
「おいこら、話聞くきあんの。」
ぺしっと、私の頭を叩いた眞樹原は
手に手帳を持っている。
む。
少し意外だ。
そんな手帳なんて繊細なものを
眞樹原が持っているなんて。
私も持っているけど、
ほとんど書き込まない。
あるあるだよね。
手帳買ったのはいいけど、
使うの最初の数ヶ月だけっていうやつ。
おるおるだよね。
「もう永澤は飯食ってるだけでいいから。
俺が書いとくわ。」
はあ、とため息をついて
眞樹原は歩き出す。
「あ、まってよー。」
腕の中から落ちかけたパンに
気を取られながらも
私は大股で先を歩く眞樹原の背中を追った。