弟系男子が『弟』をやめた時。




ドンッ──



「っと、ごめん!」



パンを見ながら眞樹原の後ろを歩いていたら、

教室のドアを出たところで

急に眞樹原が足を止めた。



そのまま私は眞樹原の背中に体当たり。


一応謝っといてやろうと思って

ごめんとか言ってみたけれど、

眞樹原は見事にガン無視だった。







眞樹原は私をスルーしたまま

誰かに問いかけた。

「…お前、もしかして文化委員?」




何だ。

眞樹原の声色がすっごい不機嫌。


てかまず誰と話してんの。


柚乃ちゃまも会話に入れてよ。




「…おいこら、にーちゃん。


無視してんじゃねーぞ。おい。」





それすらもガン無視だった。

永澤心折れそうや。






私が泣きそうになっていると

眞樹原の背中の向こう側から

聞き覚えのある声が聞こえた。






「…そうだけど。」




宇美瀬くんだ。

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