弟系男子が『弟』をやめた時。
「あー!宇美瀬くんだ!
イケメンだ!やっほい!」
私は思わず声をあげる。
ぱあっと目を輝かせて
眞樹原の背中からひょっこり出て行くと
宇美瀬くんは私に向かって微笑んでくれた。
「永澤さんも文化委員なんだ。
よろしくね。」
素敵か。
いや、つっこむまでもなく、
素敵や。
少し照れ気味にはにかんでいる彼をみたら
こちらも自然と口角が上がってくる。
「ふへへ」
あれ、不自然だわ。
そんな私たちのやり取りを
眞樹原は無言でじぃっと観察していた。
私は眞樹原の鋭い視線に気づき、
少したじろぐ。
目つき悪いぞ。眞樹原。
眞樹原がこんなに機嫌が悪いところ
なかなか見かけない。
宇美瀬くんのこと、
そんなに嫌いだったのか…?
いや、そもそも宇美瀬くんじゃなくて
永澤にイラついているという選択肢もあるけど。