First love〜約束〜
「あのさ、里桜。里桜のお父さんとお母さんには、もう言ってあるからな?」
「え?」
「お父さん、少し寂しそうだったぞ?」
パパ…。
たまにしか家に帰ってこなくて、顔を合わせれば、勉強勉強うるさいと思っていたけど…。
ちゃんと私のこと、娘として愛してくれていたんだ…。
あれ?
なんか、また涙が…。
「里桜って意外に泣き虫だよな」
春斗はそう言って、私の涙を親指で拭ってくれた。
「な、泣き虫じゃない…もん…」
少し強がってみたけれど、涙は止まらない。
「でも泣いてるじゃん」
ふっと笑う春斗。
「い、今だけだもん!」
私って可愛くないな〜。
我ながら思う。
そんな私を、ギュッと抱きしめてくれる、春斗。
私は彼の広い胸に、顔を埋める。