First love〜約束〜
私はすぐに、私宛に書かれた手紙を読むことにした。
「……………っ…!」
そこには、たった18年間の人生を、精一杯生きた、春斗の想いが綴られていた。
『里桜へ
お前がこの手紙を読んでるってことは、俺はもうお前の隣にはいないってことだよな。
ごめんな、里桜。
ずっとお前の隣にいれなくてさ。
まあ、そんなこと言ったら里桜は、
「謝るな!」って言うと思うけど。
俺は、幸せだったよ。
二十歳になるまで生きられなかったけどさ。
長さなんて関係ない。
すごく、幸せだったよ。
だってさ、里桜の幼なじみとして生まれてこれたし、そのうえ両想いになれたし、里桜との間に子供までできて、しまいには結婚までできたんだからな?
こんなに幸せな人生ってないよ。
ごめん、書きたいことたくさんありすぎて、まとまらない(笑)。
まあ、とにかく俺は、里桜に出逢えてよかったってこと。
それは、忘れんなよ?
当分、遠距離恋愛になっちまうけどさ。
俺は、お前のことずっと愛してるし、ずっと見守ってるから。
向こうで、浮気なんて絶対しないぞ?
どんなに、大人っぽくて美人な女がいてもな(笑)。
俺は、里桜以外興味ないから。
そうだ、葵と夏生には、誕生日が来るたびに手紙を渡してくれ。
といっても、当分、読んでやらないといけないか。
あと、解説も必要だよな。
まあ、あいつらならすぐに字も読めるようになるし、解読力もすぐにつくはず。
頭の作りが俺に似てればな(笑)。
そろそろ里桜…泣いてるか?
里桜は泣き虫だもんな。
小さい頃からずっと。
泣いてもいいけど、必ず笑えよ?
俺はお前の笑顔が、大好きなんだからさ。
まあ、泣いてる里桜も…可愛いけど。
でも、俺は里桜が泣いていても、抱きしめてやることはできない。
抱きしめたいけどな。
それで、一生離したくなんかないけどな。
だけど、それは無理だから。
しばらく我慢する。
でも、何十年かあと、里桜がこっちの世界に来たら、思いっきりお前のこと抱きしめるからな。
そのときは、ちゃんと抱きしめられてろよ。
拒否すんなよ(笑)。
その日まで遠距離だけど。
ずっと愛してるから。
俺は、里桜の幸せを願ってる。
幸せになれよ。
でも、次に会った時には、二人で幸せになろう。
そして、ずっと一緒にいよう。
俺たちの遠距離恋愛が終わるときまでの、約束だ。
じゃあ、またな。
古賀春斗』