First love〜約束〜
病院に着いてから、少し経って、やっと目を覚ました春斗。
「ごめん、里桜…。入学式…」
「バカ春斗!!入学式なんかより春斗の方が大事っ!」
私は目を覚ました春斗にそう言った。
強がりだけど。
だって…そうでも言わないと、泣いてしまうから。
でも、一番泣きたいのは、春斗だ。
病気なのは…春斗なんだから。
私が泣いたら、春斗は絶対不安になる。
そんなの絶対駄目。
私は春斗を幸せにするって決めたから。
…ううん、違う。
あの夏の日、二人で幸せになるって決めたから。
そして、夢に出てきた女の子と、約束をしたから。
何があっても、春斗のそばにいる、と。
だから、私は、春斗を悲しませない。不安にさせない。
この決意は私自身と春斗しか知らないけれど、おばさんもママも私が春斗のそばにいても、「入学式に出なさい」なんて言わずにいてくれた。