銀河うさぎの夜
「こんばんは。銀河うさぎです。夜分遅くにすみません。」

銀河うさぎは

駅長きりんにあいさつしました。

「あら、いつもお世話になっています。

今日はずいぶんと遅くまで働いているのですね。」

「いいえ、今回はお聞きしたいことがあって来ました。」

「あら、何かしら。なんなりと。」




「実は、わが月の、国王うさぎの一人娘が家出をしてしまったのです。
探しているのですが、今どこにいるか知りませんか?」

「それは大変、わたくしがこの長い首を使って探してあげましょう。」



そう言うと

駅長きりんは、首をぐおーんと長くして

宇宙を見渡しました。



「どうですか?みつかりましたか?」

「いやいや、まだまだみつかりません。」



駅長きりんは

さらに首をぐおおーんと長くのばして

宇宙を見渡しました。



「どうですか?みつかりましたか?」

「全然、みつかりません。」



駅長きりんは

さらに首をぐおおおおーんと長くのばしました。

すると

無理をしてのばしすぎたため

首がすぽんっと抜けてしまったのです。



「どうやら、首を長くのばしすぎてしまったようです。
これではもう探せません。お役にたてなくて残念です。」



駅長きりんはそう言いながら

前足で首を大事そうにさすっていました。



「いえいえ、探してくれてありがとうございます。
どうぞ首をお大事に。よければこれを差し上げます。」



銀河うさぎは

針と糸をそっとおいて

国王うさぎをさがすために

違う星へと向かいました。
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