切ない恋がしたいわけじゃない
彼氏が帰ってきた。

一緒にご飯を食べる。

攻めるつもりないのに、また攻めてしまう。

『将来のこと考えて』

『どうするの?』

攻める私に彼氏は何を思っているのか知らないが、優しく答える。

優しくされることに苦しくなる。

抱き締められる。

久々の感覚にさらに苦しくなる。

ーあなたの彼女は、浮気をしてるんだよ。


ねぇ、優しくしないで。
優しくして欲しいのに、優しくされることに苦しくなる。

『私ね、将来が不安すぎて一瞬だけ心が揺らいだの。でも、今違うと思った。あなたを待つことにした。』

私はズルい。
自分が全て悪いのに、彼氏に打ち明ける事で楽になろうとしている。

彼氏が苦しくなるのわかってて。

『一瞬でも、揺らいだってことはここに気持ちがないって事だろ?俺はお前を縛る権利はない。幸せになりな。

『一瞬だもん。好きじゃない。』

ズルい女。嘘を重ねる。

『その男誰?やったの?』

『やってない』

また嘘を重ねる。

『優しい言葉掛けられた?そんな男止めろって言われた?それ間違ってないよ。』

『間違ってた。』

『もういいから。』

突き放され、涙が出る。
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