失恋のち恋

***



日を改め、連れてこられたのは彼の家。


一人暮らしらしい。


ソファに通学用のリュックを放り投げる。



「本当にいいの?」


「うん。ごめん、私のわがままに付き合わせて」


「別にいいけど」



素っ気なく言う彼は、いつもとだいぶ印象が違う。



怒っているのだろうか……


こんな私に嫌気がさしたのだろうか……



彼の心情がよくわからない。



さっそく、ベットへと案内される。



私はゆっくり目を閉じ、彼に身体を預けた。



これが私の初めて。



全てを初恋の人へと捧げる。



< 6 / 17 >

この作品をシェア

pagetop