月夜に願いを…
タッタッタ…
「クソ!!」
ルナは月夜の中を必死に駆け回っていた。
「…クーラ…ごめん…」
走りながら、ルナは静かにそう呟いた。
クーラは悪くない…悪いのは俺達吸血鬼の方だ。
今頃気付くなんて、俺も馬鹿だよな…
クーラは吸血鬼を恨んでいる、だがそれは一部の吸血鬼だけで、奴は俺達の為に自分を犠牲にして研究している。
「…誤りたい。」
ルナはこの気持ちで一杯だった。
そして次こそ、最高の相棒になる。
「はっ、はっ、はっ…」
ルナは走るスピードを早めた。
どこに居るなんて解らない。
だが、ルナは必死にこの広い街を走り続けた。
その時
「!!!」
ルナの目に移ったのは、血溜まりの中に倒れているクーラと、倒れるクーラに向かって氷の刃を降り降ろす吸血鬼だった。
「!!!」
ゴォォォ!!
ルナは、一瞬にして両手に炎を纏い、一気に吸血鬼に放った。