月夜に願いを…
ルナは煙草の煙を口に含み、肺に流しこんだ。
「ここは、俺の家だよ。」
ルナの口からは少量の煙が吐き出された。
「へぇ~…意外と綺麗だな。」
ルナは煙草を一口吸い、短くなった煙草を灰皿に押し付け消火した。
「俺は結構綺麗好きなんだよ。」
ルナは、近くにあったビニール袋からおにぎりを取りだし、クーラに投げつけた。
「今はそれでも食っとけ。」
「…サンキュー。」
クーラはおにぎりの包装を器用に剥がし、一口かじった。
「で、クーラ。」
クーラは突然のルナの問いかけに、頭に疑問符を浮かべた。
「吸血鬼狩りの話しなんだが…」
クーラは、その言葉におにぎりにかぶり付こうとした口を止めた。
「その…何だ…その仕事俺にも手伝わせろ。」
ルナは、新しい煙草を口にくわえ、指から炎を発生さして火をつけた。
「…は!?」
クーラは突然の言葉に驚愕して、手の中のおにぎりを落としかけたが、何とかキャッチした。
「…この前の出来事で吸血鬼の中には最悪な奴が居るとわかった。そんな奴らにお前が殺されたら、人間に戻る方法が解らなくなるだろ?」
ルナは口から煙を吐き出しながら、気まずそうに問いかけた。
クーラは少し思案したが、しばらくすると口を開いた。
「…わかった!!お前が良いんなら手伝ってくれ!」
ルナはその答えに、喜びと悲しみの混じった複雑な笑みを浮かべた。
「…ああ。改めてよろしく!!」