月夜に願いを…


「…」

何故なんだ?



何故俺は吸血鬼なんかになってしまった…




吸血鬼とは

身体の中にある細菌が感染する、それを身体が受け入れると驚異的な自己治癒力、並外れた運動神経、不老の肉体、更に自在に自然現象を起こす事ができる能力を手に入れる事ができる。

だが、吸血鬼になるとある欲求が生まれる。


それが、人間の血液が欲しいという欲求。



これは、性欲や食欲などとは比にならないほど強い欲求で、これを我慢し限界を越えると、理性が吹き飛び殺戮を楽しむマシーンとなってしまう。



だが、この世界には吸血鬼はほとんど存在しない。



理由は、大抵の人間は細菌が身体に侵入すると、高熱を出し、やがては死にいたるからだ。



感染の方法は、吸血鬼に噛まれるという単純な作業で成立する。



ルナは、先ほど欲求の我慢が限界を越え理性が飛び、人間を殺めてしまったのだ…




「…畜生…」


気持ちとは正反対に、身体はスッキリしている…


こんな事なら、吸血鬼にならずに死にたかったな…








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