月夜に願いを…
「…そうか。」
ルナは大して興味無さそうに目を擦りながら答えた。
だが、クーラはルナの顔を真っ直ぐに見つめ、話しを続けた。
「…俺達は吸血鬼狩りだ、お前は吸血鬼を殺す事が出来るか??」
ルナも吸血鬼、クーラはルナが仲間の吸血鬼の命を絶つ事が出来るのか不安だった。
「大丈夫だよ、この前に一回殺してるだろ??」
だがルナは、あくびをしながら呑気に答えた。
「それなら良いんだ。」
そしてクーラは表情を険しくすると、ゆっくり口を開いた。
「俺達がターゲットにしている火の吸血鬼…かなり強敵だ、能力B、力Aだ。」
「!!」
ルナは、その答えを聞いた瞬間に先ほどまで眠たそうに薄く開いていた目を大きく見開いた。
吸血鬼にもランクがあり、それぞれ、能力、力に別けられている。
Gから始まりF、E、D、C、B、A、S、SSの順に強力である。
ちなみにルナは、能力C、力Dで、クーラは、能力S、力Gだ。
今のルナ達には、勝てる見込みが殆んど無い。
更にルナは今、血液不足の状態に陥っているため、戦力はかなり低下している。
「…それが今回の俺達の仕事なんだろ??やるしかない。」
だがルナは冷静に答えた。
「けど、お前血液不足で戦えないだろ?」
クーラはそう言うと、鞄からペットボトルを取りだし机の上に置いた。
「何だ?」
ルナは眉を潜め、そのペットボトルを見つめた。
中には、赤黒い液体が小さく波を立てている。
「今日、病院に寄ってきてな、盗んできた。」
クーラはルナの疑問に笑いながら答えた。
「それ飲んだら、早速吸血鬼を殺りに行くぞ!」
中身は新鮮な血液だった。