月夜に願いを…
「で、ターゲットの情報は…」
クーラはそう呟くとポケットから小さな紙切れを取りだし、広げた。
「…ルナ、ちゃんと覚えろよ??」
「ああ。」
「えっと…身長が153で…って小さ!!」
クーラは、その情報に一人で突っ込みを入れた。
クーラのその言葉に、ルナは少しの間思考し、直ぐに考えが纏まった。
「…女の可能性が出てきたな。」
だが、その考えも次のクーラの言葉に、脆く崩れさった。
「…ちょっと待て…性別男だ…」
「…おい!!その情報合ってんのかよ!?」
ルナは明らかにおかしい情報に少し疑いを持ち始めた。
「合ってるに決まってんだろ!!俺が集めた情報だぞ??」
「そもそも、お前が集めたって時点で信用出来ねぇ!!」
ルナの渾身のカウンターによりクーラはなすすべ無く、視線を泳がせた。
「…とりあえず続きを教えてくれ。」
クーラはルナの言葉を素直に聞き入れ、再び紙切れを視線まで持ち上げた。
「…身長153、性別、男、体重45、目は綺麗な二重で、髪の毛は赤毛に短髪のツンツンヘアー、右の頬に切り傷の後…」
「……絶対そんな奴、めちゃくちゃ目立つだろ?」
ルナは呆れた様にそう答えると、先に歩き始めた。