月夜に願いを…
ルナはその人物が自分達が追っていた人物と気付き、早くも戦闘体制を取った。
「お前が…人を殺し回っている吸血鬼か?楽しいか?そんな事をして…」
ルナがそう問いかけると、その人物はクーラをルナに投げつけた。
「…グ!!お前…」
「…さっきから人の事をお前お前って言ってるけど、お前何様のつもりだ??俺にはランスと言う名前があるんだよ。」
お前もお前って言ってるだろ!!
とルナは突っ込みたかったが、その衝動を何とか理性で押さえ込み、気絶しているクーラをゆっくりと地面に寝かした。
「…ランスか、わかった。俺はルナと言う。」
ランスはルナの言葉を聞き終え、眉を潜めて静かに問いかけた。
「…じゃあルナ、何で俺を追っている?」
ルナはその言葉にさっきから浮かんでいた青筋がピクンと波立った。
「お前を殺す為だ!!」
ルナは叫ぶと同時に両腕を前に付きだし、その腕から巨大な炎を召喚し、ランスに向かって勢い良く放った。