月夜に願いを…


ランスはその巨大な炎に怯む事無く、右腕を前に付きだし、ルナと同じ大きさの炎を召喚して、ルナの炎に向かって放った。


ドォオオ!!


炎は巨大な音を残して、互いに消え去った。



「…じゃあ何故俺を殺そうとする?」


ランスは炎が消え去りルナを視界に捉え、また問いかけた。

ルナはその問いかけに更に額に青筋を浮かべ、ランスに飛びかかった。

「それはお前が一番わかってる事だろ!?」

ルナは右手に真っ赤な炎を纏い、ランスに殴りかかった。

だがランスはその拳を僅かに顔を横に動かし、最小限の動きで攻撃を交わした。


そして、カウンターの容量でそのまま右手でルナの頬を力強く殴った。


「…かは!」


ルナはその勢いで体が後方にぶっ飛んだ。

「…意味わかんね…」

ランスはそう呟きながら、ぶっ飛ぶルナの後方に素早く回り込み、背中に強烈な膝蹴りをかました。



「ガア!!」


ルナは何が起きたかも解らずに、次は前方に勢い良くぶっ飛んだ。



「…弱いな。」


ランスはルナの事をまるで汚物を見る様な、舐めきった目で見つめた。






< 29 / 70 >

この作品をシェア

pagetop