月夜に願いを…
「おう!お前吸血鬼だろ?」
いきなりの自分に問いかける声に、ルナはゆっくりと振り向いた。
「…何だ、お前は?」
そこには、青い瞳の活発そうな雰囲気を漂わす青年が立っていた。
「吸血鬼って事はお前の目を見たら分かるんだよ。」
青年はルナの問いかけに答えずに、ルナの隣に腰掛けた。
吸血鬼の瞳とは、青、赤、黄という3つのどれかに別れている。
青は氷の自然現象、赤は炎の自然現象、黄は電気の自然現象を起こせる。(ちなみにルナは赤。)
だが希に白の瞳を持っている吸血鬼が存在する。
彼らは、この3つの自然現象を全て自在に操れるという反則的な能力を持っている。
青…
つまりこの青年も吸血鬼という事になる。
「お前も吸血鬼か?」
ルナは青年に目を合わせず問いかけた。
「あ~、俺は違う。」
だが、予想と反した答えにルナは疑問を抱いた。
「けど、人間でもないぜ。」
「はぁ!?」
当然その答えにルナは瞼を大きく見開いた。