月夜に願いを…
ルナはその言葉に早速怒りを覚え、ランスにずかずかと近づいていった。
「何だと?」
「ルナ!!!」
だがクーラはルナに大きく怒鳴り声を上げて静止させた。
「俺が話しをする。」
クーラはそう言うとランスの目の前にドカリと座り込んだ。
「…まず、何故俺達がお前の命を狙ってるか分かるか??」
ランスは仰向けに転がりながらもクーラに向かって鋭く視線を向けた。
「…知らねぇよ!どうせお前達、吸血鬼狩りだろ!?何故、何もしてない俺を狙ったんだ??」
クーラはその言葉に額に青筋を浮かべた。
「…ほぉ…人を殺す事を何とも思わないのか?」
クーラのその言葉にランスは怒りを込めた声で怒鳴った。
「んな訳ねぇだろ!!人を殺すだと!?理由も無く人を殺せるはずがない!!血だって意識が飛ぶまで我慢している!!…だけど…我慢しても我慢しても我慢してもどれだけ我慢してもだ!…意識が飛んだ後…次に意識が戻った時には目の前に人の死体がある……何でなんだよ…?何で吸血鬼になんか……」
ランスの最後の方の言葉は小さくて中々聞き取れる物では無かった。
だが、ルナ達にはランスが何を思っているのか完全に伝わった。
だが、これだと噂と辻褄が合わない。
「?…お前無差別に人を殺してるんじゃ無かったのか??」
クーラはポツリと頭を掻きながら呟いた。
「は??」
ランスはその言葉にポカーンと口を開いた。
そしてルナが静かに呟いた。
「まさか…………………………人間違い?」