月夜に願いを…
二人はその言葉を聞き、耳をすませた。
「…ルナ、お前はランスと戦っていた時の記憶はあるか??」
不意に自分に問いかけられた質問にルナは少し戸惑ったがすぐに頭の中にその時の記憶をよみがえらせようとした。
だが…
「…あれ……あんまり思い出せない…」
その答えはクーラにとって予想外の答えだったらしく、クーラは一瞬眉を潜めた。
「はぁ?どういう事だ?」
ルナは更なる質問に再び頭の中にその時の記憶を呼び起こした。
「…どういう事って、ランスに吹っ飛ばされた辺りから記憶が無いんだよ…」
クーラはその言葉を聞き、少し考えを巡らせた。
「…何でだろ?…とりあえずだ、お前は最後、ランスにとどめを刺す時に炎を放った、その炎はどう考えても能力Cが出せる力じゃ無いんだよ。…それに、その前の肉弾戦も、力Aは無いと、あんなに強力な攻撃は出来ない。」
ルナはその言葉に驚愕を隠せない表情を見せ、クーラの話の続きを今か今かと待ち続けた。
「明らかにあの戦いの時のお前は、能力A、力Aくらいの実力は有ったはずだ。」
クーラのその言葉に、ルナは自分の手のひらを無言で見つめた。
「…お前の実力は、能力C、力Dでは収まらない。