月夜に願いを…
「ルナァア!!!」
男は咄嗟に雷撃を放つ手をそのままにしながら背後を振り返った。
ドガァアッ!!
と同時に頬に強い衝撃と凄まじい灼熱が襲いかかった。
「グアァ!」
その衝撃に、男の体は宙を舞い、数回のバウンドの後に壁に激突した。
「…やったのか?」
そこには、右手を振り切った状態で呟くルナが居た。
「…さぁな、とりあえず留めさしとくか。」
クーラはそう答えると地面に倒れる男に近づいて行った。
ヒュウン…
クーラは歩きながら右手に槍を召喚し。
「…死ね。」
槍を振り上げた。
グサ…
その場に肉を断つ音と凄まじい量の鮮血が噴水の様に噴き上がった。
「…グハァ…」
パタパタ…
噴き上がった血液が地面に注ぐ音がルナの耳に届いた。
だが…
「…あ?」
「…何で?」
その音の元、血液を噴き上げるのはクーラだった。
クーラの腹からは手が生えるように突き出ていた。
「クーラァアア!!!」
「あぁ…」
ズブリ…
男がクーラの腹から手を引き抜くと、支える物が無くなったクーラの体は
ドサ
力無く地面に倒れた。