月夜に願いを…



男の頬の傷は吸血鬼の力の為に、既にふさがっていた。

「貴様…」

男はそう呟くと血の付着した右手をクーラの首目掛けて振り下ろした。

だが

「ウァアアア!!!」

怒り狂ったルナが男の顔目掛けて右手の拳を放った。

ヒュ…

だが、男は僅かに顔を横に傾ける事で、ルナの攻撃を交わした。


「貴様アアア!!」

だが、ルナの攻撃は留まる事無く、上段蹴り、フック、アッパー、足払い、頭突きと凄まじい勢いで連撃を繰り出すが、それは全て軽く交わされた。

「鬱陶しい!!!」

更に、男はルナの頬に左手の裏拳を放った。

ドガァア!!

その裏拳は見事にルナの頬を捉え、ルナは勢い良くぶっ飛び、壁に激突し、気を失った。


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