月夜に願いを…
バタン!
ランスはそのまま地面に叩き付けられた。
仰向けに倒れたまま、何とか先程まで自分が居た場所に目を向けた。
そこには、左足を真上に上げる状態で居る雷撃使いが居た。
「…そっか…」
(…成る程な…完全に決まったと思って油断したか…俺は前蹴りを綺麗に顎に受けちまった様だな………ちっ…立てねぇ…)
「あ??」
ランスがそこまで思考を終えた時、すぐ隣を「誰か」が通った。
それは、長い銀髪を靡かせ、頭の左右に、犬の様な耳を持ち、目は真っ赤な、まるで狼を思わせる瞳を持っていた。
「……」
クーラは、その理性の欠片も見当たらない瞳を持つ人物を見て、大きく目を見開いた。
「…お前……まさかルナか??」
ルナ?は、雷撃使いの男を睨み付けた。
「くっ」
男は、その真っ赤な目から発せられるただならぬ殺気に、後退りした。
「…お前、どんな死に方が良い?…切り刻んでやろうか?それとも生きたまま内臓を取り出してやろうか?…ただな………綺麗にはコロサナイ……」