月夜に願いを…
その瞬間、ルナはまるで糸の切れた人形の様にその場に倒れこんだ。
「…ルナ!?」
ランスは一瞬唖然としたが、直ぐ様ルナの元に駆け寄った。
だが、医学の知識が全く無いと言っても良いほどランスは医学に関して、ほとんど知識を持っていなかった為に、どうして良いのかわからずその場であたふたしていた。
「!?」
その時、銀の様な光沢のある白銀の色に変色していたルナの髪の毛が、毛先から根元に向かって、まるで波が退いて行くかの様に元の真っ黒なサラサラの髪の毛に戻って行き、獣の様な耳は段々縮んで行き、最後には跡形も無く姿を消した
「…ルナ?」
その光景を目の当たりにしたランスは、思わずルナの名前を呟いていた。
その声に反応したのか、ルナはゆっくりと瞼を開いた。
「…あ…れ…?」
その瞼の裏側にある瞳は、もう先ほどまでの殺気のみを纏わせていた面影は全く無かった。
「ランス…クーラは?…クーラはどうなったんだ!?」
その瞳は仲間の事を、まるで自分の事の様に、否、それよりも更に心配している、意思の強さを移したかの様な、紅く、強い瞳を見せていた。