御主人様のお申し付け通りに
キモチが高ぶるごとに、不思議と永田の姿が浮かぶ。

「あっ…」

永田のあの、至近距離での無表情の顔が浮かぶ。

元旦那は興奮して息が荒かった。

動きながら目を閉じると、永田の顔が浮かん
だまま。

あのキスの後、もしアイツが私に手を出していたならば、一体私はどんなありさまになってしまっていたのだろう。

そんな事ばかり…考えてて…永田に抱かれている自分を想像しながら…。

「ダメダメ!もう私ダメ!…」

永田!

ダメ!

もう、永田の顔しか浮かばない!

永田の顔が好きだよ!

私、永田で……。

「…っ!…」

結局、永田の顔を思い出して、久しぶりの最後は終わった。

元旦那のアレがよかったのか。

永田の顔がよかったのか。

どっちがよかったのか。

永田の言葉がまた、頭をよぎる。

「人の事をなめた扱いしてると、一気に痛い所へ落ちるぞ」

なめてなんていない。

ただ、甘えてばかりだった私の前から、甘えられる唯一の元旦那が、遠くに離れて行ってしまうこの現実は、確かに永田の言う通り。

なめた扱いしていたら、一気に痛い所へと落とされた感じがしたのだ。

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