御主人様のお申し付け通りに
「大丈夫か?」

頬に手を伸ばされて、

「うん…キモチ良すぎて…一人で勝手に感動しちゃってた…」

永田は態勢を変えて、動かしはじめる。

「感動って、何だよ…あんまそんな事言うと…俺も調子こくぞ?…」

「今夜は永田の誕生日だから…調子こいてもいいよ?…」

「マジ?…」

「マジ…」

ギシギシと揺れる音は、少しずつ早くなる。

「じゃあさ、言ってもいい?」

永田は揺すりながら、私の顔に自分の顔を近付けた。

そして、私の前髪をかきあげて、おでこにキス。

「…今すぐ結婚しよう…」

その言葉に私は心の底まで響いてしまって、身体中で感じてしまい、絶頂に達した。

翌日の休みに、永田は電話を朝から掛けまくっていた。

私はベッドから起き上がる。

「何してんの?」

昨夜は遅くまで年甲斐もなくエッチしまくっていて、身体がダルいのなんのって…。

「ねぇ、どこに電話してんの?」

「シッ!…静かにしてろ」

怒られた。

「あぁ、もしもし…えぇ、そうです。最短でどれくらいです?…分かりました…それならお断りいたします」

一体全体、何をそんなに慌ててんのさ。

スマホで何かを調べながら、すぐさま問い合わせる。

「もしもし…はい、そうです。えぇ…最短ですねぇ…それならお断りいたします」

私は布団にくるまりながら、大きなあくびをして背伸びをしていた。

な~んだ、電話してまた断ってる。

「もしもし…そうです…はい、予約で最短どれくらいです?」

もしかして、来月の私の誕生日に何か予約でもしてくれてんの?

そらどうも、ありがとうございます。

「えっ…最短で、その日なら空いてるんです?…えぇ、出来たらその日でお願いしたいです…はい、分かりました。今週末、改めて伺います」

永田は満足そうに電話を切った。

「よかったね、何かの予約でしょ?」

「あぁ、そうだよ。週末おまえも空けとけよ」

「私も一緒なの?」

永田は自分のスマホを私に投げ渡す。

「おっと!」

ナイスキャッチで、私はスマホを見ると、

「スマ婚◯◯挙式場の御予約案内」

ブーーーッ!!!

思わず吹き出した。

「はぁい?…どどど…どうしたの?」

「おまえの来月の誕生日に挙式の予約を入れておいたから、週末に打ち合わせだ」

永田…、あんた最短、最短って…。

最短過ぎるわー!

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