いつか きっと…
「美桜、こっち来いよ。」


遥希の声に、床に固まりかけていた靴底が溶けだし自由に動けるようになる。


当たり前だが、忘れられていなかった事に心の中で小さな安堵のため息を落としていた。




遥希の隣りに歩いて行くと、そっと背中のギターケースの端を掴んだ。



例えそれが、遥希の温もりを感じることのできない物であったとしても、触れていることで安心できる。



無意識に遥希を求めてしまうのは、この場所のせい?



それとも…。



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