いつか きっと…
どれくらい走り続けただろう…。
気がついたら、見知らぬ小さな公園に辿り着いていた。
形ばかりの小さな砂場に、ブランコが二つ。
ベンチの近くに街灯が一つあった。
私達以外に人の気配はしない。
立ち止まると、乱れた息が苦しくて立っていられなくなった。
二人共その場にしゃがみ込むと、息を整えるために呼吸を繰り返す。
しばらく言葉を発することすらできなかった。
こんなに走ったのは、どれくらい振りだろう…。
「大丈夫か…?」
薄明かりの中、心配そうな声がした。
とても優しい声だった。