いつか きっと…

やっと息も落ち着いてきた。

ゆっくりと立ち上がると、地面にあぐらをかいたように座りこんでいる彼の所まで歩いて行く。

その人は、私が側に来るのを待っていたかのように顔を向けると、少し遠慮がちに話しかけた。


「名前、聞いてもいい?
俺、森山遥希(モリヤマハルキ)。」

「遥希くん…。良い名前。
私は、白石美桜(シライシミオ)。」

「美桜かぁ…。高校生?」

「うん。一応、4月から高校2年生。」

「そっか。じゃあ、俺の方が4つ上だ。」


遥希はそう言うと、目にかかった前髪を手で払おうとでもするように手を上げた。

薄暗い街頭に照らされる遥希の
姿に、どこか違和感を感じる。

一瞬、影と同化してその違和感が何なのかわからない。

少しずつ遥希との距離を縮めていく。




遥希の左手…



流れる流血で真っ赤に染まっていた。



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