いつか きっと…

ハンカチが遥希の血を吸い込み赤く染まっていく。



「どうしよう…。私せいで。」


自分でも気がつかないうちに涙がこぼれ落ち、周りの視界も遥希の顔も、滲んでぼやけて霞んでいく。


遥希はそんな私の頭を無傷の手でポンポンと優しく叩いて笑う。

「こんなの、大したことないから大丈夫。ちょっと絆創膏でも貼っとけば直ぐ治るから。」


そう言って、傷口を押さえる私の手の上にそっと自分の手を重ねた。



遥希の心地いい体温と、流れる血の生暖かさに包まれながら、ぼやける世界が明けていくのを感じていた。
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