いつか きっと…


「よし。わかった!」


遥希はそう言って一気に立ち上がると、地面にべったりと座り込んでいる私に右手を差し出してきた。


反射的にその手を掴むと、グッと引き上げられる。


スカートも、そこから伸びる2本の素足も砂にまみれて白。
軽く叩いてみると砂埃が舞うのが見えた。


「ところでさ、ここがどこなのか知ってる?」


私は無言で首を横に振った。



「じゃあ、俺達迷子だな。」


心配な事など何一つ無いと言わんばかりの、楽天的なおどけたセリフ。


私達は、ここに来た時と同じように手を繋いで公園を出た。



心配な事など何一つ無い。







< 23 / 179 >

この作品をシェア

pagetop