いつか きっと…
結局、店内に入るのも、このまま歩いて帰るのも諦めるしかない。
今いるコンビニの住所を確認すると、タクシーを呼ぶことにした。
5分程でタクシーが現れ、2人の前で扉を開ける。
素早く乗車すると、運転手に悟られないように普通を装い自宅の住所を伝える。
「美桜、どこいくの?」
「家。」
「でもこんな時間だし…。」
「大丈夫。誰もいないから。」
私はそう言って、隣りにすわる遥希を見た。
運転手は何も気がついていないようだったけれど、着ていたジャケットを脱ぐと遥希の手や服を隠すように掛ける。
「汚れちゃうよ?」
遥希は困った顔をしていたけれど、私はそのままにしておいた。
汚れてしまったら、捨ててしまえばいいのだから。