いつか きっと…
エレベーターは二人を乗せ上昇していく。
何となく無言のまま、エレベーターが止まるのをまった。
十七階のランプが点滅し、音もなく扉が開く。
美桜に続いてエレベーターを下りると、そこには広めのエレベーターホールが広がっていた。
左右に廊下が延びている。
「遥希くん、こっち。」
美桜は手招きしながら、右の廊下を歩いて行く。
幾つかのドアを通り過ぎて行くと、一人の女性とすれ違った。
二十代後半くらいの、少し派手な感じの女の人。
すれ違いざまに、会釈をして通り過ぎた。
前を見ると、美桜が突き当たりのドアの前で立ち止まり、鍵を開けて待っていてくれた。