いつか きっと…
トーストと目玉焼きの、簡単な朝食をすませると二人でソファーに並んで座った。
「美桜、この家って…禁煙か?」
「そっかぁ。ごめんっ。もしかして、ずっと我慢してた?」
「まぁ…、我慢ってほどじゃないけど。ちょっとだけなっ。」
キッチンの棚から灰皿を取ってくると、遥希の前に置いた。
「パパが帰って来たときしか使わないから。いつもは片付けてあるんだよね。」
遥希はタバコを一本取り出して口にくわえ、ジッポライターで火をつけた。
「食後の一服。やっと落ち着いた。」
タバコの煙りに混ざって、ほんの一瞬だけオイルの匂いがした。