いつか きっと…

───恐い。



「ねぇ、遊ぼうよぉ。」

「シカトしなくてもいいじゃん。」


振り向くと、掴まれた腕をさらに引っ張られた。

目の前に知らない男の顔。


「ちょ、ちょっと離して。」


いかにもなチャラチャラした雰囲気に、嫌悪感と恐怖心が重なる。


手を振り払おうとして腕に力を入れたのに、離れるどころか近づく距離に足が竦んだ。


そのまま引っ張られる。


周りにいる人も、所詮は他人事だと立ち止まって見ていただけ。


いや…立ち止まっただけ、まだマシな方かもしれない。





私だって、きっとそうしてる。




今日はツイてないだけ…。
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