クレナイの歌

恋だとか愛だとか、そんなの俺にはわからない。


友人は顎に手を当て、んーと唸り声を出しながら考え始めた。

「あいつは……んー、かなり孤立してるよなー。誰とも仲良くなろうとしないし、けっこう女子には嫌われているみたい」


まあそうだろうな。


同意した。

男女問わず、彼女が誰かと共に行動をしていた所なんて見たことがない。

いつも、一人。
いや…それよりも、彼女は“独り”に近かった。

拒むのだ。関わりを。


それはどこか
自分と似ている気がした。

まったく勝手な思い込みだ。


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