君と見る星は儚くて


「じゃあ、光先輩で」



よく笑う先輩につられて、私も微笑む。


先輩はおう、と言って、私の隣に座る。



「そういえば美和、星見るの好きなの?」



その質問に私は



「はい、大好きです。
…毎日ここに通っちゃうほどです」


「…そっか」


「先輩も星見るのが好きなんですか?」



私がそう質問すると、

先輩は夜空を見上げ、瞳を閉じる。



「…俺も大好きだよ。
星を見るだけで…何でかわからないけど、嫌なことがあっても
『明日頑張るぞ』っていう気持ちになれる」



瞳を閉じたままそう言った先輩。


…本当に星が大好きなんだなと思った。


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