君と見る星は儚くて


「ありがとな!
…んで、美和は何を言おうとしたの?」


「あ、えっと…」



ちょっと照れくさくて、まごついた状態で私は言う。



「今日は、ありがとうございました!…楽しかった…です。
また明日もよろ、しくお願いします…」



やっぱり少し照れくさくて、私はさっさと家の中に入ろうとする。



「…俺も…!」



そんな私を引き止めるように先輩は私の背中に話しかける。



「今日は楽しかった!また明日な!!
…おやすみ!」



私が振り向くと、先輩はニコッと笑って行ってしまった。


“俺も今日は楽しかった”


その言葉が、すごく嬉しかった。

あの笑顔が、私までも笑顔にさせてくれた。


私は上機嫌で家の中へと入ったんだ。


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