君と見る星は儚くて
「だからさぁ」
梨花は耳打ちをする。
「その緑明の先輩に、
恋しちゃったのかなって思って!」
梨花はわざとらしくキャピキャピした感じで言う。
「…梨花、気持ち悪いよ」
「え〜ひどぉい…」
相変わらず梨花はぶりっ子を演じ続けている。
「んで、本当に好きになっちゃったりしたの?」
「まさか」
私はハッと鼻で笑う。
「会って一日で好きになるとかさ、
容姿で好きになったとしか言えないじゃん。
そんなの、薄っぺらいものでしかないよ」
「まあそうだわ」
梨花は私に同意する。
「でしょ?」と私が言うと、「でもさぁ」と話し始める。
「一目惚れっていうのもまあそんなに悪いもんでもないんじゃない?
本気で好きならさ」
「でも、私はそういうのは好きじゃないの!」
「はいはい。わかったわかった」
…なんか試合に負けた気分なんですけど。