恋色電車





「羽生さん、寒いですか?」





「なんで?」





「耳が赤いから・・・・」




指摘すると、慌てたように耳を手で覆う。




「少しさみぃかもな」




ははっと優しく笑う羽生さん。




笑った拍子に出てきた白い息は、すぐに消えて溶けていく。





その様子を私は眺めていた。





「それより愛衣ちゃん」




「・・・・はい」






「これ、終わらせようか?」




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