恋色電車



「愛衣、あんた大丈夫?」




厨房から出来立てのパンを持った店長が心配そうに聞いてきた。





「大丈夫ですよ」




みんなに心配させて、迷惑かけてる場合じゃない。




そう答えて、無理に笑顔を作った。





でも、




お客さんには通用しても





店長にその笑顔は使えなかった。





「ウソ。相談なら私、聞くよ?」




どこまでも優しい店長。




ーコクン



その言葉に甘えて、首を縦に振った。

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