恋色電車
「でも、また会えると思うよ?」
私がビールの最後の一口を口に入れたとき。
店長は私にそう言った。
「そうですかねぇ」
もし、次会ったのなら、なんて声を掛けようかな?
そんなことを考えていると、あるものに目が留まった。
それはカレンダー。
今月のカレンダーの木曜日にはハートが1つもなかった。
毎週毎週、会うのが楽しみでつけてたんだっけ。
お酒で意識が朦朧とする中でぼんやりとそれを見つめた。