恋色電車




「何かあった?」




俯く私の顔を覗き込むようにして問い掛けてきたのは




羽生さんだった。




「いえ、なんに・・・」




なんにもないですよ。




そう言おうとしたのをふさいだのは店長の言葉。





「あったのよね~。愛衣ちゃん」




どこか楽しげにこちらを見てくる。




「ほんと?」




どこか悲しげに聞いてきた羽生さんは困った表情をしていた。




眉毛が下がり、ウソ偽りなく心配してくれていた。
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