恋色電車



「・・・・あ」




目が合って先に口を開いたのは、




神谷さん。




小さな声だったけど、




2人しか乗ってないこの両車。




聞こえないはずがない。




久しぶりに心があの色に染まる。




あなた色、そう桜色に。




こちらに近づいてくる。




そして、私の大好きな笑顔で笑った。




「久しぶり」




そうしたらさっきまでの桜色が、




より一層濃くなって、強くなった。
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