恋色電車
自分の膝に目線を落とす。
こんなに人がいると分かっていれば、
素直に車に乗ったんだけどな・・・。
自分の姿を隠すための物が
キャップだけだとさすがにきついな・・・。
そんな事を悶々と考えていると、
俺の前に立つ、2人のサラリーマンの会話が聞こえてきた。
「今日に限って、なんで午前の電車が止まるんだろうな?」
「俺らからしたら、いい迷惑だよな」
あー・・・・そういうこと。
午前の電車が止まってたから、
午後の電車に人が多いわけか。