恋色電車



周りとチラリと見渡した後、




キャップのつばをさらに上げて、






痴漢された彼女の顔を覗きみる。




今にも泣きそうな目をして、下を俯いていた。





自分に言われていると勘違いしているのだろうか?





そうは思ったけど、







違う。






痴漢されて怖かったんだろうな。



そのまましばらく女を盗み見ていれば、






ーバチ






目が合ってしまった。
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