恋色電車
「当たり前ですよ!」
私も負けじとニコッと笑って返す。
すると、少し恥ずかしそうにうなじをポリポリ掻いた。
そのしぐさからは、照れてるようにしか私は見えない。
「迷惑だった?」
「ん?」
ボソッと呟いた言葉はあまりにも小さくて、聞き返した。
「自分でも、あんなこと言うなんて思わなかった。」
今度は私の耳にもしっかり聞こえて。
「私は、嬉しかったですよ。すっごく」
そう、期待してしまいそうなぐらい嬉しかった。