犬系な彼の飼い主はじめました!?
「あっ…あの!」
勇気を出して声を張る。
うわあ、一気に視線を集めてしまった。
「一人に対してそんな大人数じゃ大変なことに」
「はぁ?誰ですかアンタ」
「お前見たことある?」
「ない」
どうしよう。本当やばい。
「と、とにかくここは穏便に」
「は、地味子が何言ってんだよ」
地味子、か。なんか懐かしいな。
「おい」
倒れていた金髪くんがゆっくりと起き上がる。
「お前らデタラメ言ってんじゃねえぞ」
「黙れ、お前は」
「き、金髪く…」
振り上げられた一人のヤンキーの人の片足はガッチリと金髪くんが受け止めた。
「この先輩のどこがいけねえんだよ、言ってみろよ」
「は、はぁ?本当頭おかしいな」
「頭おかしいのは、こんな大人数の前で助けてくれた先輩バカにする手前らだろうが!」
ギラリと光る眼光に「ヒッ」と声を出す人もいた。
「…帰る。」
金髪くんはフラフラと立って歩き出した。
ってえ!?