犬系な彼の飼い主はじめました!?
「ちょい待ち」
1号を持ち上げつつ言われて耳を傾けた。
「1号重いじゃん俺が持ってくよ」
代わりに持ち上げる早馬くん。
「その代わりに家を教えてな」
「も、もちろん」
何気ない距離にドキドキしてる。
道路には二つの影が伸びていて、
身長のある早馬くんの影の方がどんどん向こうへと向かっていた。
「奈田の家の近くめっちゃ住宅街だね」
「そうだね。兼原先輩も家が近いよ」
「……………へぇ。家知ってるんだ?」
ま、まあ近所だから…
「えっとうちが向こうのでその向かいの隣の屋根がオレンジの家が兼原先輩の家、だね」
「近いね」