犬系な彼の飼い主はじめました!?
1号の事件以来、俺はいちいち奈田に惑わされることが多くなった。
…いや、それまでもそうか。
でもこう何て言えばいいのか、わからない何かが
もやもやと俺の中にいる。
それが俺を不快にさせたり、
気持ちを落ち着けさせたり。
まるでさながら麻薬のような心の中の『それ』が俺にはわからない。
というか、『それ』が何かを考えようとすると、
逃げていってしまう。
「…こと!まーこーと!!!」
健祐のその声でまたハッとした。
「ちょ、早馬大丈夫?」
「うん、最近早馬くん上の空、多いよね」
風邪でもひいた?
その心配がまた心臓の音を大きくさせる。
なんなんだよ、これ。