犬系な彼の飼い主はじめました!?
「早馬くん?」
「奈田さん、ほっぺにご飯粒ついちゃってるよ」
「え!?ほんと!?どっち」
健祐はずっと昔からだけど、 女に思わせ振りなことをしすぎだ。
今だって米粒健祐が取っちゃうし。
言えばいいのにな。
…ていうか俺なら言うだけしかできない。
「奈田さんは本当にほっとけない系な子だね」
「え!?そんなこと初めて言われたけどな!?」
…んなこと、見ればわかるよ。
「…奈田」
「はい」
なんで敬語?
「今日、1号連れてきて」
「わかった」
健祐がこっちを向く。
「1号ってあの猫?」
「ああ」
「まだ面倒見てたんだ」
向こうは向こうで1号の話をしてる。
「なあ、真言」
「何」
「俺、…奈田さんのことが好きかも」
は?
今こいつなんて言ったよ。
「はぁ?」
「冗談か真剣なのかはお前が判断すればいいんじゃないかね」
そう言うと立ち上がる健祐。
「新崎くんトイレ?」
「うん」